新型TREK Domane登場|SLR 7・SL 5を実際に試乗して感じた進化

TREKを代表するエンデュランスロードバイク「Domane(ドマーネ)」がフルモデルチェンジしました。

新型Domaneは、これまで大切にしてきた「長距離を快適に走れるロードバイク」という魅力を残しながら、より軽量で、シンプルで、ロードバイクらしい軽快な走りを楽しめるモデルへと進化しています。

今回は新しくなったDomaneの特徴と、実際に「Domane SLR 7」と「Domane SL 5」に試乗して感じた違いをご紹介します。

私自身、これまで約10年間、IsoSpeedを搭載した旧型Domane SLR 6に乗ってきました。そのため、今回大きく構造が変更された新型Domaneがどのような走りになっているのか、特に楽しみにしていました。

IsoSpeedを廃止し、より軽量でシンプルなDomaneへ

今回のモデルチェンジで大きく変わったポイントのひとつが、これまでDomaneの特徴だった「IsoSpeed」が廃止されたことです。

IsoSpeedはフレームを適度にしならせることで路面からの振動を軽減し、長時間のライドでも快適に走りやすくするTREK独自の構造でした。

新型Domaneでは、この機構をなくすことでフレーム構造をよりシンプルにしています。

その結果、SLRフレームセットでは先代モデルから約305gの軽量化を実現。

見た目もよりすっきりとして、クラシックなロードバイクらしいシルエットになりました。

では、IsoSpeedがなくなることで乗り心地が悪くなったのかというと、実際に乗ってみるとその印象はありませんでした。

新しいカーボンフレーム設計に加え、縦方向に適度にしなる新型シートポストや、太いタイヤを装着できる設計によって、Domaneらしい快適性はしっかり残されています。

最大40mmタイヤに対応

新型Domaneでは最大40mm幅のタイヤに対応しました。

ロードバイクというと25〜28mm程度の細いタイヤをイメージする方も多いと思いますが、最近では30mm以上のタイヤを使用するロードバイクも増えています。

タイヤを太くすることで、路面からの振動を抑えやすくなり、グリップ力や安心感も高くなります。

舗装路だけでなく、少し荒れた道や軽いグラベルまで走れるため、「ロードバイクで走れる場所」がかなり広がりました。

長距離でも無理のないポジション

Domaneは従来から、レーシングロードほど前傾姿勢が強くならない「ロード・エンデュランス・ジオメトリー」を採用しています。

今回のモデルではさらに、新しいライズ付きハンドルを採用。

ハンドル位置が少し高くなることで、無理のない自然な乗車姿勢を取りやすくなっています。

ロングライドはもちろん、ロードバイクを始めたばかりの方にも扱いやすいポジションです。

 

Domane SLR 7に試乗|しっかり芯のある軽快な走り

最初に試乗したのは「Domane SLR 7」。

乗り出してすぐに感じたのは、

「かなり、かっちりしたフレームになった」

ということでした。

SLRシリーズにはTREK最高グレードの900シリーズOCLVカーボンが採用されています。

フレームそのものが軽量になったこともあり、ペダルを踏み込んだときの反応が非常に軽快です。

特に印象的だったのが、ダンシングしたときの感覚です。

以前乗っていたIsoSpeed搭載のDomane SLR 6では、IsoSpeedのしなり量を硬めに調整していました。それでも、ダンシングしたときには少し力が逃げていくように感じることがありました。

もちろん当時使用していたホイールの影響などもあるとは思います。

一方、新型SLR 7ではそうした感覚がほとんどなく、踏み込んだ力をしっかり受け止めて前へ進んでくれるような印象があります。

「芯の通ったフレーム」という表現が近いかもしれません。

試乗車にはAeolusのカーボンホイールが装着されていたため、ホイールによる軽快さも大きいと思いますが、それを含めても非常に気持ちの良い走りでした。

ポジションも自然

もうひとつ好印象だったのがポジションです。

試乗時にはサドル高を普段使用している高さに合わせただけでしたが、それだけで非常に自然なポジションになりました。

前傾姿勢も強すぎません。

新しく採用されたライズ付きハンドルも、この自然なポジションにかなり貢献していると思います。

長時間走ることを考えると、このポジションの取りやすさはDomaneの大きな魅力です。

700×35Cタイヤは意外と自然

今回のSLR 7には700×35Cという、ロードバイクとしては比較的太めのタイヤが装着されていました。

乗る前は、

「35Cだと少し重く感じるのでは?」

と思っていました。

実際に乗ってみると、重さよりも先に感じたのは乗り心地の良さでした。

路面からの細かな振動が抑えられ、非常に快適です。

ロングライドやエンデュランス用途で考えれば、35Cというタイヤ幅も十分選択肢になると思います。

一方で、加速時などには若干タイヤの重さも感じました。

舗装路中心で、より軽快なロードバイクらしい走りを求めるのであれば、個人的には少し細めのタイヤに変更するのもおすすめです。

タイヤ選びによって乗り味を変えられるのも、新型Domaneの面白いところでしょう。

 

Domane SL 5に試乗|快適性ならこちらも非常に魅力的

続いて試乗したのが「Domane SL 5」です。

SLR 7と比較すると、絶対的な軽さや踏み込んだときのシャープさではSLRに軍配が上がります。

ただし、快適性については、

「むしろSL 5のほうが分かりやすく感じる」

という印象でした。

車道を走っていると、舗装の細かな凹凸や振動が常に自転車へ伝わってきます。

SL 5では、そうした細かな振動をフレームやタイヤがうまくいなしてくれる感覚がありました。

エンデュランスロードとして非常にバランスの良い乗り味です。

アルミロードからのステップアップにもおすすめ

SL 5は、

「今までアルミロードに乗っていて、次はカーボンロードに乗ってみたい」

という方にも非常におすすめしやすいモデルだと思います。

カーボンフレームならではの乗り心地の良さを体感できますし、長距離を走った際の疲労軽減も期待できます。

標準ホイールでも十分楽しめますが、将来的にカーボンホイールなどへ交換すれば、さらに走りを軽快にすることもできます。

最初はSL 5で楽しみながら、少しずつカスタムしていくのも面白いでしょう。

 

SLとSLR、どちらを選ぶ?

SLとSLRの大きな違いは、フレームに使用されるカーボン素材やハンドル、ホイールなどです。

実際に乗り比べてみると、そのキャラクターの違いも感じることができました。

より軽量で、踏み込んだときにダイレクトに反応する「かっちりとした走り」を求めるのであればSLR。

一方、

・ロングライドを快適に楽しみたい
・初めてカーボンロードへ乗り換えたい
・価格と性能のバランスを重視したい

という方であれば、SLシリーズで十分すぎる性能があると思います。

一般的なサイクリングやロングライドを中心に楽しむのであれば、SLシリーズは非常にバランスの良い選択肢です。

一方SLRには、乗った瞬間に感じられる軽さやフレームのシャープさがあります。

予算だけでなく、「どのような走りを楽しみたいか」で選んでいただくのがおすすめです。

新型Domaneは「よりロードバイクらしく」なった

今回、新型Domaneに乗って最も印象に残ったのは、

「Domaneらしい快適性を残しながら、よりロードバイクらしい走りになった」

という点です。

IsoSpeedをなくし、構造をシンプルにして軽量化。

その一方で、新しいシートポストや太いタイヤへの対応によって、ロングライドで必要となる快適性もしっかり残されています。

速さだけを追求するレーシングロードではありません。

かといって、ただ快適なだけのロードバイクでもありません。

休日のサイクリングから100kmを超えるロングライド、少し荒れた路面まで、一台で幅広く楽しみたい方にとって、新型Domaneはかなり魅力的なモデルになったと思います。

Domane SLとSLRで迷われている方や、現在アルミロードからの乗り換えを検討されている方も、ぜひお気軽にご相談ください。