トレック本社ジョン・バーク社長のプレゼンテーションで始まったTREK WORLD 2015。例年より1週間ほど早く開催され、トレックの2015年モデルが発表されました。そのなかでも、予想通り7月1日に発表された Émondaに注目が集まりました。
最新テクノロジーが結集された超軽量バイク Émondaですが、実際に試乗してみますと、 Émonda S, Émonda SL, Émonda SLRと乗るうちに、驚きが大きくなりました。 Émonda Sシリーズでも、Modone 3シリーズに比べて軽量ですが、 Émonda SL, Émonda SLRはそれを遥かに凌駕する軽量さと乗り心地のよさ。単純に軽いだけでなく、ライダーの思った通りに機敏に反応するハンドリング、ちょっとした坂道でも登りを意識させない推進力は、TREK WORLDに特別ゲストとして参加した別府史之選手からも絶賛された、お墨付きのバイクです。別府選手は、今年のジロデイタリアで Émondaを使用したそうです。(ちなみ最軽量モデルの Émonda SLRですが、とにかく軽量に仕上げている関係上、トップチューブを指で押すと少しへこみます。ゆえに信号などで止まったときには、トップチューブに座るのは避けた方が良いとの裏話も聞けました。) トレックは昨年度よりモデル・イヤーをなくし、通期で新製品が出れば追加する仕組みを導入しています。それにより、今回のようにシーズン途中にEmondaが発表されたり、Madoneが7シリーズだけになったりとしています。また継続モデルもたくさんありますので、ここからは簡単に変更のあった各カテゴリーについて紹介します。
ロード部門
Émonda
Émondaについては、 Émonda SLR10が完成車で4.6kgと超軽量なカーボンバイクとして登場しました。700シリーズのOCLVカーボンを使用し、高剛性でレーシーなバイクになっています。ダイレクト・マウントブレーキは、ボントレガー製でフロントは123gと、他社製を上回る軽量さをほこり、各パーツに軽量化がはかられていることがわかります。
Madone
Madoneシリーズは7シリーズのみがP1で展開されます。トレックにおけるMadoneの位置づけとしてはエアロ・ロードバイクであり、スプリントなどに有効なレース仕様にしているとのことです。KVFフレームを採用しています。
Domane
Domaneシリーズでは大きな変更はありませんが、Discブレーキ仕様が新たなに登場しました。Domane4.5とDomane6.2がDISC対応になっています。Domane4.5はさらにクイックリリースではなく15mmのスルーアスクルが使用され、剛性が増しています。別府選手いわく、チームメイトのカンチェラーラ選手は、ほとんどのレースでDomaneを使用しているとのことで、カンチェラーラ選手が開発に深く関わったバイクへの愛着が感じられるエピソードでした。
Silque
女性用ロードバイクも充実しています。フルカーボン・フレームのSilqueや、Iso Speedを導入したLexaなどが新たに展開されています。Silqueは, MadoneやDomaneのメリットをうまく取り入れたバイクで、これから本格的にロードバイクに乗ってみたい女性のお客様にはおススメできるバイクです。
City部門
FX
フィットネス部門では、FXが新しくなって登場。新しいフレーム形状に、スマートフォンと連携できるbluetoothを介して接続可能なDuotrapSが取り付けられる用に設計されています。
また専用のステム「Blendr」を使用すれば、別売のiPhone用ケースをハンドル中央に取り付けることができます。従来のようにGPSを利用したアプリなどでは、バッテリーの消費が速いのですが、消費電力の少ないBluetoothを利用すれば、バッテリーを長持ちさせられますし、センサーと連携しているので、スピード測定が正確に行なえるというメリットもあります。 さらにセンサーが、チェーンステーに装着されるので、ケイデンス(ペダルが1分間にどれぐらい回転したのかを表すもの)も測定できるので、回転数に応じて、より変速のタイミングがわかりやすくなります。
LYNC
通勤、通学に特化した「Urban Utility」というカテゴリーが追加されました。その中に新たに「LYNC」が登場。フェンダー(泥よけ)やライトが標準装備され、その明るさは約550Lumenと強力です。リアのエンドにはテールライトが左右に一つずつつけられています。このライト、実はダウンチューブの下部にリチウムイオンバッテリーが備え付けられており、そこから電気を供給しています。このバッテリーは取り外しが可能で、USBで充電できます。 上位モデルのLync Sには、専用のリアキャリアが付属し、片側のみパニアが取り付けられるようになっています。変速は27速、タイヤは700x32cでクロスバイクと同じ太さです。クロスバイクを検討している方に、おススメできる通勤・通学バイクです。
520
「アドヴェンチャー」という新しいカテゴリーも登場しました。本格的ツーリングから、アメリカやヨーロッパで人気を博している「グラベル」にも対応するプロダクツが登場しました。シティーユースでも使えるクロモリロードとして520が先行して発売されます。リアキャリアが付属し、ディスクブレーキ仕様です。今後、アルミフレームの720や、29erの920が展開される予定です。
MTB部門
MTBでは新たにSmart wheel systemが導入されました。速さやトラクション、安定性などにおいて他のホイールサイズより優位であると証明されている29インチですが、すべてのユーザーがその特性を最大限実感できるわけではないとの結論に達したとのこと。特に身長に起因するものが多く、そこで登場したのがフレームサイズに応じてホイールサイズを変更させているというもの。
13.5,15.5インチのフレームに対しては650bのホイールを、17.5インチ以上のフレームには29インチ・ホイールを使用するように設計されています。これによって、フレームサイズにおいて、お客様にあったホイールサイズを選択できるようになり、MTBも格段と選び易くなると思われます。
もう一つの変更は、2014年モデルまであったゲーリー・コレクションがなくなり、トレック・ブランドに統一された点です。上記のSmart Wheel Systemを採用することで、29erを専門としたゲーリー・コレクションの位置づけが難しくなったのかもしれませんが、ゲーリー・フィッシャーの持つアイディアや技術は、トレックバイクへ惜しみなくつぎ込まれて、開発が行なわれているとのことです。
1976年先代のディッグ・バーク氏が赤い屋根の納屋で創業したトレックは、息子のジョン・バーク氏へと引き継がれても、世界中で愛されるブランドであることはいまも変わっていません。先代とツーリングに出かけた若かりし頃のジョン氏の写真が映し出されるなど、自転車に対する愛情であふれているトレック。“We believe in bikes”という言葉にある自転車の持つ可能性を是非トレックのバイクを通じて感じてください。 2015年モデルは随時入荷します。カタログも閲覧できますので、ご来店お待ちしております。
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