TREK WORLD 2016が京都で開催されました。TREKは昨年度よりイヤーモデルを廃止しており、継続するモデルが半数を占めていますが、なかでも注目を集めていたのが、先月発表されたMadone 9シリーズ。Tour de FranceでもTREK Factory Racing Teamが使用していたので、テレビで実際の走りをご覧になった方も多いかもしれませんが、試乗してみると、その凄さに圧倒されました。
今回のTREK WORLDには、本社の開発に携わっている日本人スタッフによる、Madone 9の開発について詳しいプレゼンテーションが行われました。CFD(数値流体力学)を用いた開発現場の生の声からは、TREKが新製品の開発に2年以上もの月日をかけ、実際の走行データと近似した数値を導きだすCFDの活用等を通じて、ボトルケージの位置まで入念に設計することで、昨年モデルよりも大幅な空気抵抗の軽減に成功し、乗り心地を最大化するISO SPEEDの採用も伴い、究極のエアロロードバイクを作り出すに至った経緯が説明されました。実際Madone 9では、昨年モデルよりも19Wの空気抵抗の削減に貢献しているとの実験データもでているとのこと。
また新しいエアロヘルメット「Ballista」では、海外の自転車評価サイト「bikerader」で初登場1位を獲得するなど、ヘルメットにおいても、空気抵抗の軽減と快適性の両立を図っています。
さて、そのMadone 9ですが、実際に試乗してみました。感想は、「速い」の一言に尽きます。ちょっと踏むだけで、平地で軽く40km/h以上でます。風をきるというより、風すら気にさせない走りです。かといって乗り心地は固すぎず、ダンシングしてもフレームがよれない剛性の高さが伝わってきます。
Emonda ALRにもその後試乗しましたが、バイク全体の軽さ加減というものは、確かにEmondaに軍配があがるでしょうが、総合的なバランスでは、さすがMadoneだなという印象です。TREK Factory Racing の選手達も山岳コースでもMadoneを使用していたとの話からも、オールアラウンダーとしてのMadoneの存在感がますます高まったといえるのではないでしょうか。