GIANTの2016年モデルが発表されました。早速展示会で注目されたバイクについてご紹介します。今回の展示会の目玉は、軽量レーシングバイク「TCR」とフィットネス系クロスバイク「Escape RX」のフルモデルチェンジ、「Escape R3」の女性用モデルの登場でした。
TCRがモデルチェンジして登場!
GIANTのロードカテゴリーは大きく3つあります。エアロ効果の高いエアロロードバイクとしての「PROPEL」、軽量でレーシーな「TCR」、そしてロングライドでも快適に走れるエンデュランスバイク「DEFY」。2014年の「Propel」の登場、2015年の「DEFY」のフルモデルチェンジに続き、2016年モデルでは「TCR」がフルモデルチェンジしました。
その開発コンセプトは、「軽量で勝つ剛性も高い、重量剛性比の高いバイク」。新しいTCRは、他メーカーの競合車種との比較データ(展示会でのみ公開)から示されたように、従来の軽さだけではなく、ペダルを踏んだ時のかっちりとした、パワーロスを感じさせない剛性感を持つバイクをイメージさせます。ただ時にして、高剛性のバイクは、体にこたえることも多々あり、そのあたりは新しい「Variant」という新形状のシートピラーの導入で快適性を向上させているようです。「Variant」は、2015年モデルのDEFYに採用されたD-fuseの振動吸収性とPropelに採用されいてるVectorのエアロ性能を併せ持つシートピラーで、Advancedグレードより上位モデルに採用されています。
軽量化も、もちろんされていました。ちなみにカーボンフレームは、その材料となるカーボンシートを積層して成型するのが一般的な製造方法ですが、GIANTでは他のメーカーとは違い、まずカーボン糸の状態からシートを作成する作業を経て、フレーム形状に成型する製造方法を取っています。この製造技術により、フルモデルチェンジしたTCRは、フレーム成型に必要なカーボンシートの枚数を旧年モデルの360枚から250枚へと削減でき、結果としてフレームとフォーク重量で、昨年モデルより181gの軽量化を実現しました。
ケーブルの取り回しも改良され、ヘッドチューブの内蔵ケーブルの穴の位置が左ひとつに簡略され、フレーム結合部の見直しや、シートステーの一体化などが施されています。
先の重量剛性比を高めるという点について、GIANTはフレームとホイールのコンビネーションについても検討していました。その結果として、TCR Advanced Pro1より上位モデルには、完成車にカーボンホイールが標準で装備されています。例えば、TCR Advanced Pro1には、「SLR1 Carbon Wheel」が使用されています。チューブレスタイヤ対応のクリンチャーホイールで、重量が前後で1425gと軽量。リムハイトは30mmです。このホイールには、「Dynamic Balanced Lacing」という技術が使われていて、ライダーがペダルを漕いだ時に対向するスポークのテンションが均衡になるように設計されています。これによって、ホイールが駆動方向にたわみずらくなり、GIANTのデータでは、他社のカーボンホイールに比べて駆動剛性が16%以上、重量駆動剛性比では10%以上優れた数値を叩き出したとのこと。
TCR Advanced Pro1は、完成車で35万円になりますが、フレームセットでも販売しており、価格が22万円になります。しかし、先のSLR1 Carbon Wheelが前後セットで15万円ですので、フレームとホイールを単純に足しますと37万円です。つまり、完成車の方が、はるかにお買い得です!ちなみにTCR Advanced ProはShimano Ultegraで組まれており、コンポは申し分ないでしょう。今ご注文いただくと納期は12月中旬ごろの予定です。ご興味のある方は、早めにご予約されることをお勧めします!!
RXシリーズもフルモデルチェンジ!
よりスポーティーな走りを目指すクロスバイクです。
2011年に登場したフィットネス・クロスバイク「Escape RX」が、フルモデルチェンジしました。改良点は、1.ジオメトリーの変更、2.フレーム形状の変更、3.Defuseの採用が主に挙げられます。
フレームのジオメトリーは、トップチューブ長が旧モデルより5mm長くなりました。これによりアグレッシブな乗車姿勢が可能になり、より走りを重視したフレーム設計になっています。このあたりが、Escape R3と異なる点で、Escape R3のトップチューブ長とは10mm違います。
外観では、内蔵ケーブルシステムが採用され、すっきりとした見た目とケーブルの保護につながります。重量は、Escape R3より100g軽量です。一方で、チューブ形状は、より太く剛性がアップしています。ダウンチューブは、Escape R3に比べて24%、トップチューブは、17%太くなっています。
フレームのジオメトリーがより走りに重きをおく一方で、DEFYシリーズに搭載されている振動吸収性の高いシートピラーD-fuseを採用し、さらにロングライドでもお尻がいたくなりにくい、高いクッション性を持つサドル「Sports Lite D2サドル」が標準装備されています。
このように、快適性を維持しながら、ロングライドも楽しめる全く新しいEscape RXシリーズは、数あるクロスバイクの中でも特に注目したいバイクです。
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Escape R3に女性モデルが登場!
小柄な女性でも乗れるスポーティなクロスバイクです。
女性にも乗りやすい女性用バイクの開発にも積極的なGIANTですが、昨年よりLIV(リブ)という女性専用バイクのブランドを立ち上げました。今年はそのLIVに、クロスバイクの定番であるEscapeR3が、「Escape R3 W』として加わりました。基本スペックは、EscapeR3と同じですが、女性の肩幅にあうように520mm幅のハンドルや、xxsのサイズには160mmの短いクランクが使われるなど、各所に女性向けの工夫がなされています。重量も一般モデルより軽量な9.9kgとクラス最軽量モデルです。カラーは、光が当たるとキラキラ光るパール入りの塗料を使用し、パールイエロー、パールブルー、パールブラックの3色が用意されています。
簡単ではありますが、今回の展示会で注目したいバイクを何台かご紹介しました。紙面では紹介しきれない多くの新しいバイクが発表されています。店頭には閲覧できるカタログをご用意しておりますので、ご希望の方はスタッフまでお声がけください。