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GIANT試乗会レポート @富士見パノラマスキー場

10月26日長野県富士見パノラマスキー場で行なわれたGIANT2012年モデル試乗会の模様をお伝えします。雲一つない快晴ではありましたが、最高気温10℃と、少し肌寒い中行なわれた今回の試乗会では、簡単なプレゼンテーション並びに現役のプロ選手を迎えてのトークセッションのあと、各種バイクの試乗が行なわれました。

プレゼンテーションでは、2012年モデルのロード・バイク、MTBに新たに採用された技術の紹介がされました。ロード・バイクでは、「軽量化と高い剛性」というキーフレーズのもと、カーボン製バイクの技術開発が行なわれていることが説明されました。GIANTは、20年以上前からカーボン製品の開発を始め、特にカーボン・シートからではなく、糸からシートを作るところからカーボン・フレームを開発しているため、フレーム各部の強度や剛性を自在にコントロールできるというのが大きな強みであるといいます。また、OverDrive 2の採用により、ステアリングコラムの上下を大口径化することで、ヘッドチューブ周りの剛性が30~40%高くなり、コーナリングや下りでのハンドリングの安定性が向上したといいます。

MTBについては、MAESTRO Suspensionの紹介を中心に行なわれました。担当者いわく、「路面との摩擦力を常に最適化することが、リア・サスペンションを設計する上で重要ですが、ペダリングやブレーキングの作用を考慮しなくてはならないので、そのバランスが各社の腕の見せ所」だそうです。GIANTでは、複数のピポッドでサスペンションを支える「マエストロ」という技術を用いることで、リア・センターが動かず、ブレーキングへの影響も少ないため、「でこぼこした路面での進み具合がすごくいい」(選手コメント)と言います。

午後から行なわれた試乗会で、筆者はロード・バイク6台とMTB1台(29er)を試乗しました。ダウンヒルやハードテールについては、もう一人のスタッフが試乗しておりますので、詳しくは店頭にてお尋ねください。ここでは、ロード・バイクを中心にご紹介していきます。

各バイクの簡単なコメントの前に、試乗した全体の感想として、ヘッド周りやBB周りの剛性は高く、パワーをかけても逃げずに推進力へとかわる感じがありました。ただ一方で、剛性が高いだけ、若干の乗り心地の固さというものがあるかなと思います。特にTCRシリーズはその傾向が強く、長時間乗車した際の体への影響がどうでるのか、少し気になります。そうはいっても、最上級クラスのTCR Advanced SL Rabobankの乗り心地は最高でした(定価84万円とお値段もそれなりではございますが)。

それに比べてDefyシリーズは、カーボン特有のしなやかさというものがあり、サイクリングで乗られるのであれば、おそらくこちらのバイクの方が乗り心地はいいのかなという印象です。

筆者個人として少し気になったのは、SRAM製シフトレバー、ダブルタップです。試乗したバイクの中にも何台かこれが付いていたのですが、Shimano製のSTIに慣れている方には最初抵抗があるかもしれません。慣れてくればそうでもないのでしょうが、これは好みが分かれるような気がします。

TCR SL3 (white, 465)

TCR SL3 (white, 465)です。アルミ・フレームのバイクです。重量7.7kgとクラス最軽量です。フロントフォークにOverdrive2を採用し、ヘッド周りの剛性が高く、安定したハンドリングです。フレームがアルミニウムですので、ストレートというか、しゃっきりした乗り心地ですが、如何せん材質上固いので、段差などの衝撃ははっきりと伝わってきます。

TCR Advanced 0 (Dream Silver, 465)

TCR Advanced 0 (Dream Silver, 465) です。重量が7.4kg。Shiman ULTEGRA Di2電動10S仕様です。初めて実車で今年大注目のDi2を使用しましたが、さくさくと変速が決まり、変速が楽しくなります。STIに比べると変速にかかる速度が速くなるので、路面状況においていつもより速く対応することができるパーツです。

ULTEGRA Di2電動を採用(53/39T)
Di2シフトレバー

フレームに関しては、Advanced Gradeのカーボンを使用しています。こちらはGIANTの自社工場で原糸から製造しています。フロントフォークに、OverDrive2コラムを採用しているので、ヘッド周りの剛性が高く、特にハンドリングが良好です。上級レーサーを想定して開発されていることから、剛性を高めるために、乗り心地が若干固めになってしまうのは仕方がないのかもしれません。全体として、Di2を搭載してのこの価格(定価¥399,000)は、他のブランドと比べると、お得感があるのではないでしょうか。

TCR Composite SE (Carbon, 465)

TCR Composite SE (Carbon, 465)です。重量が7.7kgです。フルカーボン製のバイクのエントリーモデルです。乗り心地は、先のTCR Advancedよりは柔らかいですが、他社と比べるとやや固めです。フロントフォークにはOverDriveが採用されていますが、OverDrive2に比べると、ややヘッド周りは細めです。上位クラスの自転車を乗ってからの試乗でしたから、ハンドリングが若干軽いような気がしました。ただ普段サイクリングに出かける程度であれば、十分なハンドリングだと思います。コンポーネンツは、SRAM製(SRAM APEX)が使用されています。ホイールセットにDT Swiss製(TRICON R1700)が使用されており、フレームとの相性も抜群です。

Defy Advanced 2 (Black, 465)

Defy Advanced 2 (Black, 465)です。重量が7.5kg。フレームにはAdvanced Gradeのカーボン、OverDrive2が採用されており、乗り心地はしっかりしています。コンポーネンツは、Shimano ULTEGRAで構成しており、ブレーキの利き具合も含めて、快適に乗れます。レーサー向きのTCRシリーズに比べて、Defyシリーズは長距離用に作られているため、乗り心地が柔らかく、乗り易い感じがしました。

TCR Advanced SL Rabobank (Team, 710)

最後にTCR Advanced SL Rabobank (Team, 710)です。重量は6.8kg。もう価格からして想像できますが、素晴らしいバイクだと思います。Advanced SL-Gradeのカーボン製で、コンポーネンツはShimano DURA ACEで構成されています。

Advanced SLカーボン

ロード・バイク6台を試乗しまして、その内3台で富士見パノラマスキー場に向かう激坂を登りました。やはりそのなかでも、このバイクは他のバイクよりも格段楽に登れた気がします。それもドライブトレインが前53/39T(Shimano DURA ACE)、リア11-25T(Shimano DURA ACE)であってでもです。ギア比の構成が同じTCR Advanced Oに比べても、遥かにTCR Advanced SL Rabobankのほうが楽でした。これについて、担当者に尋ねた所「重量が軽いこと、剛性が高いのでパワーが逃げずに推進力にかわるということはありますが、TCRシリーズはDEFYシリーズに比べてリア・センターが短いため(15mm)、走りだしにおける進み具合がいい。特に登りなど速度があまりでないところでは、その傾向が強い」との回答がありました。

XTC Composite 29er 1

MTBの試乗について、最後に簡単に書いておきます。MTBは、XTC Composite 29er1 (Carbon/ Silver, 390) に試乗しました。初めて29er(29インチのMTB)に試乗しましたが、予想以上に進みがよく、凸凹の砂利の登り坂など、軽々と上っていけます。またカーボン・フレームということもあり、軽量(11.3kg)で乗り心地はいいです。フロントサスペンションの影響でしょうが、少しふわふわした感じがありました。

今回ご紹介したバイクだけでなく、多くのバイクにスタッフが試乗しておりますので、是非店頭にてお尋ねください。今後続々とバイクが入荷してきますので、こちらも店頭にてお確かめください。