2014年モデルは、為替変動や輸送コストの高騰もあり価格が上昇した一方、ロード・バイクではエアロ・ロード・バイクの流れをくみ「PROPEL」が登場し、マルセル・キッテル選手(GIANT SHIMANO)の活躍もありツール・ド・フランスでは数々の勝利を飾るバイクになりました。MTBでは、27.5インチホイールのバイクが登場し、ほとんどのモデルが27.5インチ仕様となりました。さて、GIANTの2015年モデルはどのように展開していくのか、本日発表されたGIANT 2015年モデルを簡単にご紹介します。
ロード・バイク部門
ロード・バイク部門では、DEFYがフルモデル・チェンジ。カーボン・フレームはCompositグレードがなくなり、Advanced SL Composite とAdvanced Compositeとの2グレード展開になります。フラッグシップモデルのDEFY ADVANCED SLのフレーム重量は、GIANT史上最軽量の830g (M size)。新型フレームでは、旧モデルに比べてBB回りのダウンチューブやシートチューブ上部の軽量化がはかられるとともに、ディスク・ブレーキの採用によってシートステーが軽量化されています。
エンデュランス用バイクであるDEFYシリーズでは長時間の走行でも快適に走れることが期待されますが、新たに「D-fuseシートピラー」という構造が採用。D-fuseシートピラーは、ピラーを前後方向にしならせることによって振動を減衰させる効果があります。GIANTのテストによれば、PROPELなどのバイクに採用されているシートピラー「VECTOR」の変化量を100%とした場合、かまぼこ型をしたD-fuseシートピラーは239%と、2倍以上の変化量があることがわかりました。しなりが大きい分だけ振動の減衰性に優れるため、他社に負けぬ快適性を新しいDEFYは実現しています。
DEFYの上位モデルには、油圧式ないし機械式のディスク・ブレーキが採用されていることも注目です。これまたGIANTの調査によれば、ロード・バイクでよく使われる「キャリパー・ブレーキ」は、雨天時には晴天時より制動力が約70%落ちる一方、油圧式ディスク・ブレーキの場合は、雨天時でも制動力にあまり差がでないとの結果がでています。ディスク・ブレーキの場合、リムへの攻撃性がないため、その分ホイールを軽量化でき、漕ぎ出しが軽くなるというメリットも。
このように改良点が盛りだくさんのDEFYシリーズですが、競合他社に引けを取らない軽量さ、快適性、剛性感などにおいて、2015年注目のバイクになっていくでしょう。TCRやPROPELには大きな変更点はありませんので、ここでは割愛します。
MTB部門
MTB部門では、26インチでの展開だったREIGNとGLORYが、新たに27.5インチで展開されることになり、これによってMTBとしての26インチの展開はSNAPとSUITTO Wのみになります。REIGNは、近年海外でも人気を博しているエンデューロレースに対応した構成になっており、160mmトラベルサスや、手元で簡単にシート高を調整できるドロッパーピラーが採用されています。
クロスバイク部門
クロスバイク部門では、先行で発売されているESCAPE R3に注目が集まりました。初代が発売されて10年目を迎える2015年モデルではフルモデル・チェンジが行なわれ、旧年モデルに比べて約1200gの軽量化を実現しつつも、価格は据え置きという、お買い得感あるバイクになっています。実車は店頭にて展示しておりますが、シフターがSRAM製からSHIMANO製に変更されています。従来のサスペンション付きのシートピラーがなくなり、クッション製の高いサドルへ変更されています。軽量化されたことで、従来よりも軽やかな走りが期待できますし、通勤・通学用だけでなく、ちょっとした長距離サイクリングにも行けるバイクになっています。
その他クロスバイクでは、ESCAPE AIRがさらに軽量化され、9.5kg (465mm)となっています。これは主に変速が前3枚x後ろ8枚の24速から、前2枚x後ろ9枚の18速になったことに起因しています。前が2枚に変更されたとはいえ、フロントは34T、リアも34Tと、ローギア設定になっていることから、上り坂も安心してのぼれるギア構成になっています。
ESCAPEシリーズに加えて、2015年モデルでは、新たなモデルとして、FAST ROADが登場。エントリー用カーボングレードとして開発されたCoMaxCompositeモデルと、軽量アルミニウム素材ALUXX…
