TREK WORLD 2018 現地レポート

今年も京都で開催されたトレック・ワールド。今回の目玉は3年ぶりに大幅にモデルチェンジしたEmonda SLRでした。先日引退を発表したアルベルト・コンタドール選手が実際に使用したバイクが展示された会場では、ひときわEmonda SLRに人だかりができました。コンタドール氏のバイクのすぐ横には、サプライズゲストの別府選手の特別限定モデルが展示されていました。TREKのバイクに日本人選手のためのオリジナルデザインが施されるのは初めてらしく、数量限定でフレームセットが一般に販売されています。

またTREKがeBikeを日本にて発売する予定であることも発表されました。日本市場の9割以上を、国産メーカーによる実用車(シティーサイクル等)が占めている中、ヨーロッパや北米市場で人気を博しているスポーツバイク仕様のeBikeが今後、日本市場に参入してきそうです。

Emonda SLRのフレーム重量は640g

さて、とくにかくにも会場の注目は、Emonda SLRにあったといっても間違いないと思います。特筆すべきはその重さです。フレーム重量が640g(フレームサイズ560、H1フィット、塗装あり)と業界屈指の軽量さです。さらにフレームサイズが500で塗装なしの状態だと、610gという驚異的な軽さです。それでいて価格は、フレームセットで¥381,000(税抜き)から。競合他社の同レベルのバイクに比べて、軽さ、価格ともに上回るのですから、これはまさに「Best In Class(クラス最高)」のバイクだと言えます。値段がこれだけ抑えられている理由としては、今年度よりEmonda SLRに使用されるOCLV700の生産が、アジア地域にて行われるようになったからだとか。

乗り心地も抜群

Emonda SLRは、以前感じたような軽いだけのバイクではありません。会場横にて試乗する機会があり、早速乗ってみました。会場の入り口はちょっとしたスロープが10メートルほどあるのですが、まず漕ぎ出しが軽い。すぅーっとべダルが回っていきます。フラットペダルでそのような感じですから、ビンディングペダルで乗ればよりその感覚が掴みやすいと思います。

軽いだけではなく、きちんと剛性があって、ダンシングしても力が逃げていくような感覚はありませんでした。よく高剛性のバイクに見受けられる、ちょっと硬すぎて足にきそうというような不安はなく、乗り心地の良かったが際立っていました。加速感もあり、スピードが乗ってきても以前感じたような伸びの悪さも気にならないというのも特徴的でした。

実は、Emonda SLRの後にMadone9.0にも試乗したのですが、「もし今どちらかいずれのバイクを買うとしたらどちらを選ぶ?」と質問されたら、間違いなく「Emonda SLR!」って答えてしまうかもしれません。もちろんMadone9.0は、従来通りの安定性とIso Speedがついたことにより高剛性を感じさせない乗り心地の良さという点においては健在で、フラットな道が続くようなライドには最高のバイクだと思います。ただ、坂のみならず、信号等でストップアンドゴーが多いような、普段のライドにて使う最高のバイクという点では、Emonda SLRかなという気はしました。こればかりは好みの問題でもあるので、両モデルともにいい面、苦手とする面というのがありますので、総合的に勘案していただければいいかなと思います。

Emonda SLRにDiscモデルも登場

Emondaにもついにディスクブレーキモデルが登場しました。今年のグラン・ツールを見ていても、ディスクブレーキ仕様のロードバイクを使う選手がでてくるなど、年々ディスクブレーキモデルへの注目は高まっています。北米市場においては、安全性を重視する傾向も相成って、ディスクブレーキ搭載モデルが人気になっているとの報告もありました。リムブレーキに比べると、ディスクブレーキは、少ない力で強力な制動力を得られ、また雨天での使用においてもその制動力が落ちにくい点から、女性はもとより、男性ライダーにも大きなメリットがあります。そういったメリットをもつディスクブレーキモデルをEmondaにも投入してきた流れからすると、今後ロードバイクを含めたスポーツバイク自体が、ディスクブレーキを標準装備する時代になっていくのかなと思いました。

Emonda SLR Discの詳細については、今回のTREK Worldにゲストでご参加されていたCyclowired.jpの磯部さんの記事がとても参考になりますので、こちらをご参照ください。

Emonda SLはまさに今年の一押しバイクです!

今年のEmonda SLRがとても魅力的で、我らの触手は伸びるものの、もうちょっと懐事情に優しいバイクはないのかなという方には、Emonda  SLシリーズがオススメです。ミドルグレードのシマノのコンポーネント105がフルで装備されたEmonda SL5は、OCLV500のクラス最高のカーボン素材を使用し、シートマストキャップを利用してシートチューブ上部までカーボンで一体成型した軽量バイクです。旧来20万円後半で展開されていたこのモデルが、今年は価格が¥210,000(税抜き)まで下がりました。このバイクはお買い得だと思います。

私も2015年モデルのEmonda SL5に乗っていましたが、その当時よりほぼ性能変わらず、価格が¥66,000ほど値下がりしています。ものすごい価格戦略です。2015年モデルですら、他のバイクに比べて漕ぎ出しの軽さは別格でした。

2018年モデルのEmonda SLシリーズを購入された際には、ぜひ将来ホイールを軽量なものへとアップグレードされれば、さらに走りは軽くなりますし、十分その乗り心地の良さともにEmondaでのライドを堪能していただけるのではないでしょうか。

このようにEmonda SLシリーズは、まさに今年の一押しバイクです。ラインナップは、シマノ105仕様のEmonda SL5、シマノUltegra仕様のEmonda SL6、シマノUltegraに7月に発売開始されたミドルグレードのカーボンホイールAeoros Pro3を履いたEmonda SL6 Pro、そしてシマノDura Ace搭載のEmonda SL7となります。

Madone9.0は通常のステムが使えます

2017年モデルまでは、ハンドルとステムが一体成型されたモデルのみ販売でしたが、今年の始めよりちらほらTrekのプロ選手たちが通常ステムを使用したMadoneに乗っている写真がtwitter等で出回りました。ステム長を細く調整したり、ハンドルを変えることができる以外にも、日本国内ではトライアスロンをやっている方からDHバーを取り付けたいとの要望を受け、2018年モデルではステム交換可能モデルが、「Madone 9.0」として登場しました。

トレック・ジャパンのマーケティング部の野口さんによれば、「日本で行われているトライアスロンのレースでは、獲得標高が1000mを超えるレースが多い中、曲がりくねった道や、ときにストップアンドゴーの回数も増えてくる。そのため、ロードバイクに求められている要素が必要となるが、TTバイクではハンドルのコントロールのしにくさなどから対応しづらい部分が多い」とのこと。Madoneであればロードバイクとしての要素とTTバイクとしての要素を併せ持つバイクとして使えるというのが大きな魅力であると言えます。

TREKのeBikeが日本でも展開予定!

内蔵式のライトです。

日本でも7月にパナソニックから発表された「XM1」が注目されていますが、ヨーロッパや北米市場にて人気を博してるeBike(電動アシスト自転車)にTREKも参入しています。今回トレック・ワールドにて展示されていた日本導入予定モデル「Verve+」はボッシュ製のモーターを採用。先日の新聞にもボッシュ社の日本マーケットへの参入の記事がありましたが、これからどんどんの欧米仕様のeBikeが入って来ることが予想されています。ただ、ユニット部分には日本の法律との兼ね合いがあり、現段階では日本の規格にあわせるための調整が行われるため、発売は未定とのことでした。

今回は、公道は走れないものの、会場の敷地内にてVerve+を試走してみました。乗ってみますと、国産の電動アシスト車とは比較にならない押しの強さと快適さが感じられ、このレベルが実現すると下手したら、ちょっとしたロードバイクよりも速く走れるかなと期待させてくれます。そもそも日本の規格よりモーターの出力が強く感じられましたが、もしこれだけの馬力が可能になるのであれば、和田峠も楽々登れてしまう気がします。夢の15分切りも叶うかもと思ったり。(地元ネタですみません)このように、TREKのVerve+に代表されるようなスポーツタイプのeBikesは、これから続々と市場に出てまいりますので、ぜひその動向にもご注目ください。

ライトやGoProが取り付けられるヘルメット登場!

パーツ・アクセサリーにも新たな商品が登場、発表されました。昨今のTREKが積極的に推し進めている、日中でもライトをつけて走る「daylight」であったり、「AlwaysOn」といったようにフロント、リアライトともに常に点灯させるといった、ライダー自らが車のドライバーなどの周囲に対して、積極的にその存在を知らしめ、自らの安全も守っていくという運動があります。私どものモーニングライド等においても、多くの方がその運動に理解を示していただき、ライド中にはライトを点灯しています。

その運動をサポートする一つのアイテムとして、新たに登場したのがライトやGoProをワンタッチで取り付け可能なヘルメット「Circuit MIPS Asia Fit」です。MIPSについては以前にご紹介しましたが、転倒時の衝撃を分散させ脳へのダメージを軽減するプレートがヘルメット内部に装着されています。また今回ヘルメット外側の上部に強力なマグネットを利用し、ワンタッチでライトやGo Proをとつけられるようになりました。ライトは前方と後方の2箇所に取り付け可能です。

さらに「Circuit MIPS Asia Fit」のみならず、「Velocis MIPS Asia Fit」「Ballista MIPS Asia Fit」「Starvos MIPS」には、BOAダイヤルが搭載されています。BOAシステムは、シューズで利用された方も多いかと思いますが、締め付け具合を微妙に調整できるのが特徴で、ちょうどいいところで締められ、フィット感が抜群です。外すときは逆にパッと緩みますので、楽に脱ぐことができます。

欧米メーカーのヘルメットでは、日本人の頭にあうヘルメットが少ないという声をよく耳にしますが、昨今「Asia Fit」というアジアのユーザーにもしっくりくるモデル展開がなされています。上記にあげたヘルメットのAsia Fitモデルは、いずれも横にわずかに広がっていて、一時期欧米メーカーのヘルメットにあった頭の側頭部がヘルメットに当たるような感覚はまったくありませんでした。私は旧モデルのBallista (S/Mサイズ)を使用していますが、今回のモデルではS/Mサイズでもまだ余裕が感じられるほどのサイズ感となっています。ぜひこちらも入荷次第、ご試着いただけたらと思います。

Circuit MIPS Asia Fit
MIPS
BOAシステム

以上が簡単ではありますが、トレック・ワールド2018のレポートとなります。順次カタログが入荷してまいりますが、しばらく店頭にてカタログをご覧いただければと思います。