TREK World 2013 レポート<第1回>

 2013年モデルの新作発表会「TREK World 2013」が、昨年に続き京都で8月21日から2日間に渡り開催されました。スポーツバイク・マーケットで販売額世界トップのTREK。今年も世界を驚かす新技術をふんだんに取り入れたニューバイクが目白押しです。

注目のバイクはやはりMADONE 7シリーズ。MADONE 7シリーズは、エアロ効果の最大化と重量の軽量化、そして快適性が徹底的に追求されています。エアロ効果においてはKVF (Kammtail Virtual Foil)形状を採用。飛行機の翼の後ろ端を切り取ったような形状で、横風抵抗を最小限に抑え、25Wのパワー削減を実現しているとのこと。担当者いわく、「巡航速度40km/hを超えたあたりからの伸びが違う」そうです。なかなか巡航速度をそこまでもっていくことは難しいとは思いますが、少しでも風の抵抗は減らしたいもの。レースで1分、1秒の勝負をされているかたには、強い味方になること間違いないでしょう。

気になる重量は、フレーム重量が750g(メーカー公表値)。展示会場のMADONE 7シリーズを実測したところ、なんと5.79kg。片手でひょいっと軽々持ち上げられます。これはフレームの軽量化だけではなく、塗装の軽量化も行われているからだとか。U5ベイパーコートの重量はなんと5g。徹底した軽量化がここにまでも及んでいます。

MADONE 7シリーズで注目されている新しい技術として、ブレーキ一体システムは外せません。Shimanoと共同開発した技術で、フレームとブレーキが一体化。特にリアブレーキはSpeed Concept同様に、BB下に取り付けられ、シートステイ周りがすっきりするとともに、空気抵抗の軽減に貢献しています。

実際にMADONE 7.9に試乗しましたが、正直下手なインプレはいらないというのが結論です。抜群の軽量さと剛性の高さ、乗り心地の良さ。「あれ、自分はこんなに速く走れたかな」と思うぐらい、面白いように進んでくれます。

TREK Worldにゲストとして参加されていた鶴見辰吾さんは、自身のブログで次のように感想を述べていますので、ご参考にしてください。

 

「突き放すようには感じないものの、もの凄く固いフレームだ。横の剛性がとても高い。用意されたコースの2km弱の登りを2本ほどこなすとだいぶ身体に馴染んできて、車体をあやつる楽しさが押し寄せてくる。下りはバイクに任せていれば良いというほどお気楽ではなく、それなりのテクニックを要するシビアさがある」

(鶴見辰吾「自転車劇場」http://www.legon.jp/shingo_tsurumi/より引用

 

鶴見さんは最近DOMANEに乗っていることもあって、フレームの固さを普通の方以上に感じられるのかもしれません。また担当者も試乗した時に、「スピード感があり、ハンドルもクイックな感じで、スポーツカーに乗っているようだ」との感想を持ったとのこと。とことんスピードにこだわり開発されたMADONE 7シリーズは、TREKのもつすべての技術をつぎ込んだ最高のバイクであるということは間違いありません。

今回の展示会のもう一つの注目バイクは、究極のコンフォート・ロードバイクDOMANEシリーズでしょう。会場には、開発を担当したエンジニア、クリス・ポメリンが出席し、DOMANEの開発経緯や秘話が明らかにされました。ヨーロッパのクラシックレースでは石畳の道が多く、ここで勝てるバイクが必要とされています。このような道での身体への疲労軽減をはかりながら、きちんと勝てるバイクの開発には、様々な専門家が携わり、100以上もののアイディアがだされたとのこと。「プロトタイプを作っては実験」という繰り替しのなかでは、ヨーロッパの石畳を想定したテストのために、石畳の型をとって本社で再現したという秘話も。

そして出された結論が、シートチューブをトップチューブとシートステイから独立させる「IsoSpeed」というシステムでした。展示会でもスタッフが、サドルを上から押すと、シートチューブがしなるのがよくわかりました。それでいて、剛性感はしっかりと確保。試乗してもそれがよくわかりわかりました。担当者いわく「2時間ぐらい走ってきたときに、MADONEシリーズに比べると、疲れ具合が違う」とのこと。2年以上もの開発を経て導かれたエンデュランス・ジオメトリーや、パッドを内蔵し振動減衰性が20%アップしたBontrager IsoZoneバーの採用も効果を発揮しているのでしょう。

2013年モデルでは、このDOMANEがシリーズ化されて登場。上級モデルのDOMANE 6シリーズから、アルミフレームを使用したDOMANE 2.3まで幅広い展開になっています。

TREK傘下のパーツブランドBontrager。2013年商品において、ロードバイク部門では、まずホイールにTubeless Ready Road Wheelが登場しました。低い空気圧による乗車時の快適性向上や、シーラントを内部に入れることによるパンク・リスク低減、チューブがないことによる転がり抵抗の低さなどが特徴のチューブレスタイヤ。

雑誌でも最近再注目されていることを受け、チューブレスタイヤにも対応したホイールがBontragerから登場しました。初心者でも対応できるように、チューブレスタイヤ交換に必要なものが一式セットになった「コンバージョンキット」も用意されています。

フレームに空気抵抗を軽減するKVF形状が採用されていますが、ハンドルにもそのKVF形状が採用された商品がラインナップ。OCLVカーボンを使用したRace XXXLite Aeroは、重量200g。計算では40km/hの巡行速度で、他のモデルに比べて、約23秒のタイム短縮につながるとのこと(担当者談) 。

さて、ここまでロードバイクを中心にTREK World 2013の模様をお伝えしました。次回はMTB、クロスバイク、子供バイクのニューモデルをご紹介します。年々注目を集めている29erに、最軽量8.6kgのバイクが登場。クロスバイクでは、新たなカラーリングとともに、フルカーボンのバイクもラインナップに加わっています。子供車では近年需要が増えているkicksterが新登場です。次回の更新をお楽しみに。

 

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